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ヘルスケアデバイス開発を成功させるには?

この記事でわかること
  • 法規制とデータ管理について
  • ヘルスケアデバイス開発における技術的な課題
  • 開発における外部開発支援の使い方と相談の準備について

ヘルスケアデバイスを開発する上では、開発する製品が医療機器に該当するかどうかという点や、デバイスで取得するデータの取り扱い方についてあらかじめ知っておく必要があります。他にも開発においてはさまざまな知見が必要となり、自社のみで全て対応するのは困難であるといえます。そこでこちらの記事では、外部の開発支援を利用するメリットや効果的な活用方法などもまとめています。

ヘルスケアデバイスの開発を行うにあたっては、通常のハードウェア製品とは異なる特有の壁に直面することがあります。

  • ヘルスケアデバイスの開発は「誰のどのような課題を解決するか」という点が重要
  • 製品の使用目的により医療機器に該当するかが決まる
  • デバイスで取得するデータの取り扱いには細心の注意が必要となる

ウェアラブル端末や生体センサーを活用したヘルスケアデバイスは、健康の増進や疾病予防、医療現場の効率化といったように、幅広い課題を解決する可能性があります。しかし、実際に開発を行う場合には一般的な電子機器とは異なる面があります。対象が医療機器に該当するかという薬機法上の判断や、生体適合性、体動ノイズ、電池の寿命、データ保護など、検討すべき項目は多岐にわたります。

こちらの記事では、ヘルスケアデバイス開発を手がける企業や開発支援の活用を検討する企業に向け、企画から量産までの重要なポイントと、外部の支援を効果的に使用するための考え方について解説していきます。

ヘルスケアデバイス開発は「誰の、どんな課題を解決するか」から始まる

ヘルスケアデバイスを開発する場合、まず考えるべきは「誰の、どんな課題を解決するか」という点です。この場合、医療機関向けのデバイスなのか、それとも一般消費者向けのデバイスなのかによって、開発するヘルスケアデバイスに求められる要件が変わってきます。

医療現場向けか、一般消費者向けかで要件が変わる

ヘルスケアデバイス開発における出発点は、「技術の実現可能性」ではなく、「誰の、どんな課題を解決するか」という点を定義するところから始まります。たとえば、「心拍や血圧、活動量」を扱う製品を開発する場合でも、医療機関で使用するのか、一般消費者が日常生活の中で使用するのかによって、求められる精度や信頼性、操作性、法規制対応などが大きく変わってきます。

項目 医療現場向け 一般消費者向け
主な目的 診断支援、治療・管理、医療従事者の業務効率化 健康意識の向上、生活習慣の改善、ウェルビーイング
求められる精度 臨床判断に耐える精度・根拠が必要 参考値としての有用性、継続利用しやすさが重視されやすい
法規制 医療機器該当性の検討が原則 健康管理機器として設計する場合は表現・機能設計が重要
主な利用者 医師、看護師、臨床検査技師、患者 健康に関心のある個人、スポーツ愛好者、高齢者と家族
重要な要件 医療現場の業務フロー、衛生管理、トレーサビリティ 装着感、デザイン、電池寿命、アプリ体験、価格
失敗リスク 誤診・誤操作、医療現場への負荷増大 継続利用されない、期待と実際の精度にギャップが生じる

医療現場向けの場合は単に「測れる」のみでは不十分であるといえます。看護師が装着や清掃に手間をかけすぎないか、医師が結果をどのように解釈するのか、既存の業務フローに組み込みが可能か、誤作動や警告の見落としが発生しないかといった点まで設計が求められます。この点から、医療現場向けの製品の開発を行う場合には、安全に関わる使いやすさを体系的に扱うユーザビリティエンジニアリングが重要であるといえます。

一方、一般消費者向けの製品の場合には精度だけではなく「毎日使いたくなるか」という点が成否を左右します。たとえば装着した際の違和感や充電頻度、アプリのわかりやすさ、データの見せ方、プライバシーへの不安などが継続利用に直接繋がっていきます。健康状態を診断するのではなく、「記録」「振り返り」「行動変容」を支援するという位置付けを明確にすることが大切です。

デバイス単体ではなく、サービス全体で価値を設計する

ヘルスケアデバイスは、ハードウェアとしての「機器そのもの」を製作して終わりではありません。デバイスはあくまで「データを収集する入口」であり、そのデータをどう分析し、ユーザーにどのようなフィードバックを返すのかという「サービス全体の体験設計」が製品価値を決定づけます。

たとえば、バイタルデータを収集するデバイスがあったとします。このデバイスで収集されたデータをクラウドで解析し、異常な兆候が見られた場合にはアプリなどを通じてアラートを出して医師の診断をサポートする、といった一連の流れを構築してはじめてデバイスの存在意義が生まれるといえます。

もしハードウェア開発にばかり注力して、システム全体の連携やデータ解析アルゴリズムの開発が後回しになってしまうと、「確かにデータは取れるものの、それが何に使えるのかわからない」という状況に陥ってしまいます。そのため、企画の初期段階から、エンドツーエンドでのサービス設計を行っていくことが重要になります。

医療機器に該当するかどうかの判断と薬機法への対応

ヘルスケアデバイスの開発を行う場合、避けて通れないのが法規制への対応です。特に、開発する機器やプログラムが医療機器に該当するかが重要なポイントになってきます。医療機器になるかどうかは、「製品を何のために用いるのか」という点が関わってきます。

医療機器に該当するかは「製品の目的」で決まる

ヘルスケアデバイスの開発にあたっては、その製品が薬機法(医薬品医療機器等法)における「医療機器に該当するか」という点について慎重な判断が求められます。医療機器に該当するかどうかは、製品が持つ技術的な高度さではなく、「その製品の使用目的」により決まります。薬機法第2条第4項に基づいた判断基準では、「疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること」または「身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすこと」を目的としているかが重要なポイントになります。

たとえば「心拍数を測る」という機能があったとします。これを「日常の運動強度を管理する(フィットネス目的)」として提供する場合は医療機器に該当しないケースが多いといえますが、「不整脈などの異常を検知・診断する」という目的を掲げた場合には医療機器に該当することになります。

参照元:G -GOV法令検索|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145#Mp-Ch_1-At_2)

分類 目的の例 医療機器該当性の判断
健康管理機器 日常の歩数記録、睡眠時間の可視化、ダイエット目的の体重管理 原則として非該当(疾病の診断・治療を目的としないため)
医療機器 取得データからの疾病リスクの提示、不整脈の検知、治療方針の決定補助 該当する(診断や治療に寄与するため)

健康管理機器として展開する場合の表現の注意点

医療機器としての承認や認証を取得しない場合には、広告やパッケージでの表現方法に注意する必要があります。もし製品が医療機器としての承認を受けていないにもかかわらず、「病気を早期発見できる」「高血圧を治す」「糖尿病を予防する」といった、医療機器であるかのような誤解を与える効能効果を標榜した場合には、薬機法に抵触し法的な罰則の対象となるおそれがあります。

この場合、健康管理目的であるという点を明確にし、病名や診断を連想させる表現は厳密に排除するためのチェックが欠かせません。

アプリ単体でも医療機器(プログラム医療機器)になる場合がある

近年、「デバイスそのものは汎用のスマートフォンやスマートウォッチを使用し、その中で動くアプリ(プログラム)が医療機器に該当する」というケースが増加しています。これは、「プログラム医療機器」と呼ばれています。

厚生労働省による「プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン」では、単に健康記録の表示や保存を行うアプリであれば医療機器には該当しません。しかし、入力情報やデバイスで取得したデータを独自のアルゴリズムを用いて加工・処理を行い疾病の候補やリスクを表示するプログラムや、診断や治療の指標となる画像などを作成するプログラムについては、医療機器に該当すると判断されます。

参照元:厚生労働省|プログラムの医療機器該当性に関するガイドライン(https://www.pmda.go.jp/files/000240233.pdf)
参照元:厚生労働省|プログラムの医療機器該当性判断事例について(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001082229.pdf)

医療機器として開発する場合に増える規制対応

開発する製品(ハードウェアまたはソフトウェア)を医療機器として開発・販売を行うには、さまざまな許可や登録が必要となります。日本で医療機器を製造販売するには、原則として販売製造業の許可、製造所の登録、製品ごとの承認または認証、QMS省令への適合が必要となります。

ヘルスケアデバイス特有のハードウェア設計の課題

人体からさまざまなデータを取得するヘルスケアデバイスの設計においては、さまざまな課題を解決する必要があります。ここでは、装着時の体動ノイズへの対策や肌への安全性、小型化とバッテリー寿命の両立など、ハードウェア設計において解決すべき課題について解説していきます。

装着部位ごとの測定難易度と体動ノイズ対策

ヘルスケアデバイスのハードウェア設計においては、「どこで、何を、どのように測るか」が性能を大きく左右します。特にウェアラブル型のヘルスケアデバイスを開発する際には、体動によるノイズ(モーションアーチファクト)が大きな課題となります。

ユーザーは安静にしているとは限らず、歩行や走行、就寝中の無意識の寝返りなど、さまざまな動きを伴います。また、手首や胸部、指先など、デバイスを装着する部位によって取得できるバイタルサインの信号強度が異なりますが、ここに激しい動きが加わると皮膚との間にずれが生じてしまいますので、正確にデータを取得することが難しくなります。

この課題を解決するために、さまざまな研究が行われています。たとえば、高性能の銀めっき導電性繊維や高引裂き耐性を持つシリコーンゴムなどを組み合わせた特殊な電極・センサー素材を採用し、動いていても皮膚への密着性を保つための工夫が行われています。

参照元:PRTIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000055.000020122.html)

肌に触れる素材の生体適合性と衛生管理

ヘルスケアデバイスは、長時間にわたり直接皮膚に接触する製品が多いことから、電子機器としての性能と共に「人体への影響(安全性)」も厳しく問われます。数時間から数日間連続して装着していても、皮膚のかぶれやアレルギー反応、低音やけどなどを引き起こさない、という点が大前提となります。

そのため、肌に触れる素材を選定する際には「生体適合性」の確認が非常に重要です。一般的には、医療用シリコーンや生体適合性ウレタンといったように、生体に対する刺激が低いことに加えて、汗や摩擦にも強い素材が選定されます。また、電極やパッド、バンド、パッキンなどは肌トラブルの原因になりやすいことから、材料選定に加えて接触圧や通気性、縁の形状、隙間に入る汚れ、清掃方法といった部分まで設計に含めることが大切です。衛生管理を軽視してしまうと、皮膚トラブルや臭いにつながる、劣化による計測不良が発生するなどの可能性もあり、製品の信頼性を損なってしまいます。

小型化・電池寿命・発熱対策のトレードオフ

「ユーザーが快適に装着するための小型・軽量化」と、「稼働時間を伸ばすための大容量バッテリーの搭載」、「高度なデータ処理能力」は、物理的にトレードオフの関係にあります。軽量化を目指してデバイスを小さくするほど搭載できるリチウムイオン電池の容量は制限されるために頻繁な充電が必要となり、ユーザーの利用率低下につながります。

さらに「発熱」の課題もあります。小型の密閉された筐体内でプロセッサがフル稼働した場合、排熱が追いつかないためにデバイスの表面温度が上昇します。ヘルスケアデバイスは肌に直接触れることから、表面温度が体温を少し上回る状態が長時間続いた場合、低温やけどを引き起こす可能性があります。

上記の点を解消するためにも、ハードウェア設計において筐体や電気回路、ファームウェア、材料などを別々に最適化するのではなくはじめから一体で設計することが重要です。特に量産を想定しないまま進めた場合には、部品の調達や組立性、検査性、コストなどの面で手戻りが発生しやすくなります。

健康データの取り扱いとシステム連携

ヘルスケアデバイスでは、ユーザーに関するさまざまなデータを取得しますが、それらは極めて秘匿性の高い「要配慮個人情報」に該当する可能性が高いことから、その取り扱いには十分に注意する必要があります。ここでは、取得した健康データの取り扱いとシステム連携について解説します。

要配慮個人情報を含むデータの適切な管理

ヘルスケアデバイスでは、ユーザーに関するさまざまなデータを収集します。たとえば体重や血圧、心拍数、睡眠記録、病歴や診療に関するデータは、個人情報保護法において「要配慮個人情報」に該当する可能性が高い、センシティブな情報であるといえます。これらは通常の個人情報以上に厳格な取り扱いが必要であり、原則として本人の明確な同意を得ない限りは取得することそのものが禁止されています。 以上の点から、利用登録の時点で要配慮個人情報取得の目的と同意事項について、UI上でわかりやすく明示を行い、取得したデータはセキュアなデータベース設計が求められます。

デバイス・スマホアプリ・クラウドの役割分担

ヘルスケアシステムの安定稼働のためには、デバイスとスマートフォンアプリ、クラウド基盤といった3層構造における役割分担が必要です。

たとえば「デバイスは測定と最低限の処理を行う」「アプリは利用者との接点」「クラウドは蓄積・解析・連携」といったように役割を分けて、必要最小限のデータのみを送信する設計にします。もしすべての生データを常時クラウドに送信する設計を採用すると、電池の消耗や通信費、プライバシーリスク、障害時の影響が大きくなるといった面があります。

また、ウェアラブル端末の場合にはセキュリティ対策が十分に行いにくいケースがあります。厚生労働省の医療情報システム安全管理ガイドラインによると、患者等に貸し出しを行う際には情報セキュリティ上のリスクと留意事項をあらかじめ説明する、とされています。また、デバイスの紛失や盗難、アプリの権限設定、ファームウェア更新などまで含めたセキュリティ設計が求められます。

医療機関システムや外部アプリとの連携

ヘルスケアデバイスは、取得したデータが医療の現場や他の健康サービスとシームレスに連携することによりその価値が大きくなるといえます。ユーザーが自宅などでデバイスを通じ記録したデータを、必要に応じてかかりつけ医の電子カルテシステムと連携できれば、より精度の高いオンライン診療や療養指導に繋げられます。

近年では、クラウド型の地域医療連携システムを活用し、患者の電子的な同意(オプトイン)を元に、生活者と複数の医療機関を双方向に繋ぐためのプラットフォームの導入が進められています。また、クラウドツールを組み合わせることによって、医療チーム間での円滑な情報共有とセキュリティの確保を両立させるためのアプローチも広がりを見せています。そのためデバイス開発の初期段階から、外部のAPIや医療系のデータ標準フォーマットとの連携を見据えたシステム設計について考慮することにより、将来的なサービスの拡張性につながることが期待できます。

参照元:ヘルスケアパスポートplus(https://www.tisi.jp/service_solution/healthcare-passport/)

試作・評価から量産へのステップ

試作が完成しても、すぐにビジネス化できるわけではありません。実験室の検証(PoC)と実際のユーザー環境での実用化や量産化にはギャップがあります。ここでは、製品化を行うためのステップについて解説します。

PoCの成功をそのまま製品化できない理由

ヘルスケアデバイスの開発においては、PoC(概念実証)で良好な結果が出たとしても、そのまま製品化できるとは限らないという点に注意が必要です。PoCは「技術的に実現が可能か」「想定している課題に対して有望か」という点を確認する段階です。この段階で良い結果だったとしても、それを量産ラインに載せようとした場合、技術的な課題やコストと現場の壁が立ちはだかることになります。

PoCと実際の製品化の違いについて簡単にまとめると、下記のような形になります。

観点 PoC 製品
台数 数台〜数十台 数百台〜数万台以上
利用者 協力的な限定ユーザー 年齢・体格・環境が異なる多様な利用者
精度評価 理想的な条件での検証 実使用環境・長期使用での検証
製造 手作業・選別部品でも可 再現性、検査性、供給安定性が必要
品質管理 開発チーム中心 文書、手順、トレーサビリティ、変更管理が必要
サポート 開発者が対応 FAQ、修理、交換、障害対応、返品対応が必要
コスト 光学式の脈拍、加速度による活動量 BOMコスト、組立費、物流、保守、廃棄まで最適化

たとえば高度な技術をデバイスに用いた場合、設計や処理に高い専門性が求められることから、実験室では成功しても実際の量産製品に落とし込むにはハードルが高いといえます。さらに、技術的に優れている製品だったとしても、「現場のスタッフが日常的に無理なく使用できるか」という観点が欠けている場合、製品化できたとしても導入は進まない、といったことになります。

実際のユーザー環境での装着試験と臨床評価

実験室での検証を終えた後は、実際のユーザーが日常生活を送る環境下で行うフィールドテスト(装着試験)を行います。デバイスが24時間の装着を想定している場合には、睡眠時の寝返りをした際の外れやすさや、汗をかいたときの不快感、衣服との摩擦によるノイズの発生など、リアルな環境で発生する不具合について洗い出しを行います。

さらに、デバイスやアプリが医療機器としての承認を目指す場合には、このような試験に加えて「臨床評価」が必要となります。この臨床評価とは、医療機器を臨床使用した際の安全性や有効性に関するすべてのデータの総合的評価および分析のことを指します。

量産を見据えた部品調達と品質管理体制

量産を行う際に課題となるのは、「安定した品質の維持」と「部品の継続的な調達(ライフサイクル管理)」の2点が挙げられます。ヘルスケアデバイスは、人の健康に関わるものであることから、初期ロットから最終ロットまで、センサー感度や通信モジュールの性能にブレが発生しないようにしなければなりません。

そのためには、設計段階から「量産のしやすさ」について考慮することが必要です。たとえば手作業によるはんだ付けが必要な構造を採用した場合には不良率が上がることが考えられますので、自動での組み立てがしやすい基板レイアウトに変更するといった工夫が求められます。

また、医療機器の製造・販売を行う場合には、ISO13485に沿った医療機器製造プロセスや、QMS省令に準拠した品質管理体制を自社または委託先の工場にて構築する必要があります。これらを見据えた量産工場の選定が重要です。

ヘルスケアデバイスの開発支援先の種類と使い分け

ヘルスケアデバイス開発は、要求される専門領域が広いことから、すべての工程を自社単独でカバーするのは現実的ではないといえます。開発を成功に繋げるには、自社の課題やリソースの不足などをサポートしてくれる外部支援先を見極め、それぞれの得意分野ごとに使い分けることが欠かせません。

支援先ごとの得意分野

ヘルスケアデバイスの開発を行う場合には、市場調査や企画、機構の設計、電子回路、センサー、ファームウェア、アプリ、クラウド、データ解析など、多様な専門領域が関わることになります。全てを自社内で担うことは難しいため、目的に応じた外部支援先を活用することが大切です。

ここでは、それぞれの支援先がどのような領域を得意としているのかをまとめていますので、外部支援の利用を検討する際にはぜひ参考にしてください。

支援先 得意とする領域
設計開発・コンサルティング会社 アイデア・仕様要件を、具体的なハードウェア設計図や基盤設計に落とし込む
ODM企業 製品の設計から量産(製造)までを一貫して請け負うことが可能
EMS企業 設計図面を元にして、「製造(量産)のみを請け負う
ソフトウェア・アプリ開発ベンダー デバイスと連携するスマートフォンアプリやクラウドシステムの構築を得意とする

工程別に、どの支援先に相談するか

プロジェクトの進捗度合いによって、メインとなる相談相手が変わってきます。

工程 主な相談先 相談内容
企画・構想フェーズ 開発コンサルティング実績を持つ企業や開発ベンダー 薬機法に該当するかの判断、ターゲットユーザーの課題整理など
試作・PoCフェーズ 設計開発・コンサルティング会社、アプリ開発ベンダー プロトタイプ開発やデータ取得・解析の仕組みの構築
臨床評価・量産フェーズ 医療機器対応が可能なODM/EMS企業 ハードウェアの量産設計・製造

相談前にまとめておくと話が早い資料

外部の支援先に問い合わせを行う際には、必要な資料をまとめておくことで話をスムーズに進められます。具体的には、下記のような点について明確にしておくことが推奨されます。

準備するもの 内容
ターゲットと提供価値 「誰が(一般消費者、高齢者、医師など)」「どのような環境で(自宅、病院、屋外など)」「どのような目的で(健康管理か、病気の診断か)」使用するか
法規制へのスタンス 薬機法上の医療機器として展開する意向があるか。あるいは一般健康管理機器の中での提供を行うのか
測定したいデータ項目 具体的に何のバイタルを測りたいのか(心拍、体表温、血中酸素、睡眠状態など)
システム構成のイメージ ハードウェア単体で完結するのか、スマホアプリとの連携が必要かなど
自社が担当できる範囲 「ハードウェアの設計はできるがアプリが作れない」など自社リソース状況を明示する

まとめ:適切な開発パートナーとの連携体制がカギ

ヘルスケアデバイスの開発を成功に繋げるには、生体適合性やノイズ対策など、ハードウェア特有の技術的な課題をクリアすることに加えて、個人情報保護や薬機法(医療機器該当性)など、法規制への理解も必要となります。

また、デバイス単体だけではなく、アプリやクラウドを含め総合的なサービス体験として設計することにより、ユーザーの継続利用や医療現場への定着が期待できます。

そのためにも自社に不足している専門的な知見を明らかにし、適切な開発パートナーとの連携体制を築くことがプロジェクトを量産化・ビジネス化へと前進させる鍵となります。