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新製品開発の流れとポイント解説

目次

ハードウェアの新規事業や新製品開発において、当初の計画通りスムーズに量産まで進むプロジェクトは、決して多くはありません。「試作はできたが量産できない」「想定外の手戻りでコストがオーバーした」といったプロジェクトの停滞や失敗を防ぐためには、まずは「製品開発の正しいプロセス全体像」をあらかじめ知っておくことが重要です。

製品のアイデアを企画してから、実際に顧客へ届けるまでのモノづくりプロセスは、大きく5つのフェーズに分かれます。

  1. 製品企画(シード期)
  2. 製品設計(アーリー期)
  3. 調達(ミドル期)
  4. 工程設計(ミドル期)
  5. 生産/物流(グロース期)

製品開発のプロジェクトにおいて重要なことは、各フェーズの目的を正しく理解し、「やるべきこと」をきちんと完了させて、次のフェーズへ進めることです。各フェーズで行うべきことに過不足がある場合、量産設計や生産フェーズに入った際に「この設計では作れない」「部品コストが高すぎる」といった致命的な手戻りが発生し、プロジェクトが停滞したり、頓挫してしまうことに繫がります。

例えば、アイデアを検証するだけの初期段階(製品企画)であるにもかかわらず、量産レベルの品質を求めて過剰に作り込んでしまい、多大な時間とコストを無駄にしてしまうケースや、逆に、量産を見据えて「作れる仕様」を厳密に固めるべき段階(製品設計・調達)であるにもかかわらず、曖昧な構想のままメーカーに丸投げしてしまうケースなどです。

そこでこのページでは、特に企画~工程設計における各フェーズの役割と躓きやすいポイントを、詳しく解説します。

製品企画

市場動向や顧客ニーズを分析し、自社の技術シーズと掛け合わせて「誰に・どんな独自の価値を提供するのか」を定義する初期フェーズです。いきなり完璧な製品を作るのではなく、実用最小限の機能(MVP)で顧客の反応を検証するプロセスが含まれます。

この価値検証の段階で「量産レベルの品質」や「過剰な機能」まで盛り込もうとすると、無駄な時間と開発コストを浪費してしまいます。まずは「顧客に刺さる価値は何か」を確かめるための要件定義に集中することが重要です。

製品設計

企画した要件を、実際のユースケースや使用環境を想定しながら物理モデル(CAD等)へと図面化し、機能や安全性を評価するプロセスです。アイデアを「現実のモノ」へと変換する、製品開発の核となる工程です。

ここで最も多い失敗が「試作は動いたが、量産できない(歩留まりが悪い・コストが高すぎる)」という事態です。設計者がメーカー側の事情(工法や製造工程)を把握せずに図面を引いてしまうと、量産移行時に致命的な手戻りが発生するため、初期から「量産を見据えた設計」が不可欠となります。

調達

製品を安価で、かつ安定的に供給し続けられるように、適切な加工や組み立てが可能なサプライヤー(メーカー等)を選定・評価するプロセスです。品質(Q)、コスト(C)、納期(D)のバランスを見極める高い専門性が求められます。

自社の既存のネットワーク(付き合いのある工場など)だけで探そうとすると、本来最適な工法やメーカーを見落としてしまい、割高なコストや品質不良を引き起こす原因になります。製品の仕様に合わせて、幅広い選択肢から最適なメーカーを「目利き」する能力がプロジェクトの成否を分けます。

工程設計

図面をもとに、製品の品質を落とさずに低コストで製造するための「生産工程(設備や人の動きのフロー)」を設計するプロセスです。どこを自動化し、どこを人の手で行うかといった製造ライン全体の最適化を図ります。

「メーカーの言う通りに任せておけば大丈夫」と発注側が丸投げしてしまうと、ムダの多い工程設計になってしまい、結果的に製造原価(コスト)が下がりません。発注側も全体の工程を把握し、作業の停滞や手戻りがないか、品質管理(QMS)が担保されているかをチェックする必要があります。